セールスエンジニアの仕事内容について

セールスエンジニアの仕事内容

セールスエンジニアは、製品やサービスをセールスする際に、その特徴や導入メリットをクライアントに説明するだけでなく、導入の際に技術的にクリアすべきこと、導入によって実現を目指す(=解決を目指す)ゴールの設定、さらには導入後の改良・改善の計画などについてクライアントに説明していきます。
通常、私たちが消費者として製品やサービスを購入する際には「セールスエンジニア」は存在しません。消費者向けの製品やサービスには「それほど複雑なものはないから」。確かにそうとも言えるでしょう。
しかし、もう1つ大きな違いがあります。消費者向けの製品やサービスは「完結」したものになっていることに対して、セールスエンジニアが扱う製品やサービスは、ある意味で「未完成」なものだからです。
「未完成」は誤解を招く表現かもしれません。より正確に言うと、セールスエンジニアが扱う製品やサービスは、「クライアントとともに作っていく」ものだからです。クライアントが抱えるニーズ、状況はさまざまです。
セールスエンジニアの仕事内容は、製品やサービスをセールスすることではなく、クライアントの課題を解決することなのです。
まず、セールスエンジニアの具体的な仕事内容を見ていきましょう。

仕事内容1:営業の現場への同席

セールスエンジニアの仕事内容として、まず一番にあげられるのは、営業の現場に同席し、営業担当者をサポートすることです。
当然、営業担当者にも技術的な知識が不可欠ですが、営業担当者の役割は多くの場合、新規顧客の開拓に重点が置かれます。1人ですべてをカバーすることはできません。とはいえ、クライアントの疑問や質問に対して「会社に持ち帰って、確認します」という対応をしていては、今のビジネススピードに対応できないばかりか、営業担当者、さらには会社もクライアントの信用を得ることはできません。
セールスエンジニアは、技術的知見や専門知識で営業担当者をサポートします。

仕事内容2:営業部署とエンジニアを橋渡しする

セールスエンジニアとは、営業担当者をサポートするだけではなく、システム開発や製品導入を担当するエンジニアと営業部署の橋渡し役となることが仕事です。
システム開発や製品導入は、プロジェクトマネージャー(PM)が責任者となりますが、セールスエンジニアはクライアントとPMをつなぐ役割を担います。
例えば、システム開発の途中でクライアントから仕様変更や機能追加の要望があった場合、そのまま開発現場に伝えると作業が前工程からやり直し(いわゆる「手戻り」)になったり、混乱する場合もあります。これは結果的にコストアップや納期遅れにもつながり、クライアントにとっても良い結果にはなりません。
そうした場合にクライアントの意図を再確認し、ときには一部を次の開発フェーズに回すなど、より良い着地点を見つけていくことはセールスエンジニアの重要な仕事になります。

仕事内容3:クライアントのフォロー

営業担当者とともに新しいクライアント、新しい仕事をスタートさせ、PMとともにシステムや製品を完成させ、納品する。その2つはセールスエンジニアの大きな役割ですが、その後も仕事は続きます。
システムや製品の使用状況を確認し、問題や新しく浮上してきた課題などを開発にフィードバックすることもセールスエンジニアの仕事になります。納品して終わり、ではなく、本当の意味でクライアントの目的に合致するよう、システムや製品をチューニングしていく。もちろん実際の作業はメンテナンスや改修の専門部署が担当しますが、その際にクライアントとの間に立つこともセールスエンジニアの仕事になります。

仕事内容4:クライアントの課題の発見、解決

対外的には営業担当者を、対内的にはPMをサポートし、納品後はクライアントのフォローも行う。セールスエンジニアは非常に重要な役割を担います。
「大変すぎる」──そんな印象を持つ方がおられるかもしれません。確かに仕事内容を分けて見ていくと、複数の役割があり、大変に思えます。ですが、セールスエンジニアの仕事は本質的にはひとつだけ。それは「クライアントの課題を発見し、解決すること」です。
営業の場面は、自社の製品・サービスをアピールするだけではなく、クライアントが抱えている課題や、クライアントがまだ具体的に認識していない“潜在的な”課題を見つける重要な機会となります。
そして具体的なシステムや製品の導入、その後とフォローを通して、クライアントの課題解決を目指していく。それがセールスエンジニアの仕事です。

セールスエンジニアに必要なスキル・資格

幅広く、重要な仕事を担うセールスエンジニア。必要なスキルや具体的な資格を見ていきましょう。

スキル・資格1:ITの専門知識

セールスエンジニアには自社のシステム、製品をはじめ、テクノロジーに対する幅広い知識が求められます。ITシステムの最新動向、利用事例などを把握し、クライアントに最適な活用方法を提案できることが大切です。また、ITに対する専門知識を持っているからこそ、「ITシステムでは対応できないこと」「クライアント側で解決すべき課題」を明確にできることも重要になります。

スキル・資格2:コミュニケーション能力

セールスエンジニアはクライアントや社内の開発チームとの接点になります。情報を密接に共有し、課題解決に向けてさまざまな方法を検討していくときには、情報のやりとりを「量的」にも「質的」にも高めていくコミュニケーション能力が必要になります。
ただし、コミュニケーション能力といっても必要なことは、話題が豊富、話が上手などではありません。専門知識やノウハウをクライアントの知識レベルや理解レベルに合わせてうまく伝えられること。相手の状況を理解し、適切な情報を提供する能力が求められます。

スキル・資格3:基本情報技術者試験・応用情報技術者試験

経済産業省は、国家試験として「情報処理技術者試験」を行い、情報処理技術者としての「知識・技能」を認定しています。試験は大きく3つに分かれており、最もベーシックな試験が「基本情報技術者試験(FE)」です。
その上位試験として「応用情報技術者試験(AP)」があり、応用的な知識・技能が問われます。さらに分野ごとの高度な知識・技能が問われる試験(ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験など)があります。
基本情報技術者試験(FE)と応用情報技術者試験(AP)は、IT関連の資格としては最も一般的なものと言えます。

スキル・資格4:ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験も、経済産業省が認定する情報処理技術者試験の1つ。企業の経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを活用した競争力のあるビジネスモデルを構築するための知識やスキルが問われます。
ITコンサルタントや企業のCIO(最高情報責任者)、CTO(最高技術責任者)を目指す人に最適な試験です。

セールスエンジニアの平均年収

ITシステムや製品の導入において重要な役割を担うセールスエンジニアは、市場価値が高く、その平均年収も高くなっています。ある転職サイトでは、セールスエンジニア(プリセールス)の平均年収は658万円、一方、技術系(IT/通信)の平均年収は452万円です。
エンジニアの中では、プロダクトマネージャー(PM)の平均年収664万円に次ぐ高収入です。ただし年代別に見た時には、30代以上ではセールスエンジニア(プリセールス)の方が高くなっています。

セールスエンジニアに向いている人

クライアントが抱える課題を見つけ、クライアントとともに解決を目指すセールスエンジニア。どのような人が向いているでしょうか。

特徴1:新しい課題にチャレンジすることが好きな人

セールスエンジニアが直面する課題は、クライアントごとに違い、さらに同じクライアントでも状況ごとに変わってきます。また同じ解決手法が次も通用するとは限りません。
常に新たに登場する課題にチャレンジし、解決策を見つけ出していくことにワクワクできる人はセールスエンジニアに最適です。

特徴2:顧客と関わるのが好きな人

クライアントの課題を解決するとは、クライアントに寄り添う姿勢が必要になります。また扱っているものがITシステムや製品だとしても、それを使うのはクライアント、つまり人です。
クライアントと関わり、ともに同じ目標を達成することにモチベーションを感じられる人、意欲を持てる人はセールスエンジニアに向いています。

特徴3:好奇心の強い人

ITシステムや製品は日々進化しています。世界中で新しいシステムや考え方が登場しているなか、好奇心をもって最新知識や最新動向を追っていける人、追うことが苦にならない人、むしろ新しい情報を得ることが好きな人はセールスエンジニアとして強い武器を持っていると言えるでしょう。

特徴4:発想が柔軟な人

セールスエンジニアの仕事を「自社のITシステム、製品のセールスの技術的サポート」と捉えると、発想や視点はシステム寄り、製品寄りになってしまいます。
自社のITシステムや製品をあくまでもひとつのツールとして使い、いかにしてクライアントの課題を解決していくか。セールスエンジニアにはクライアント視点に立った柔軟な発想が必要です。

セールスエンジニアになるには

セールスエンジニアには、その名前のとおり「セールス」と「エンジニア」の2つのスキルが求められます。ハードルは高いですが、2つのスキルが必要だからこそ、セールスエンジニアになる方法、道筋は少なくとも2つあると言えます。
ITシステムや製品に対する専門知識やノウハウが不可欠なので、エンジニアからスキルアップすることが一般的。逆に営業やまったく違った職種からであれば、派遣社員として少しずつキャリアを積み、経験を重ねていくことでスキルアップを図ることができます。

幅広く、刺激的なセールスエンジニアの仕事

セールスエンジニアの仕事は、IT業界において最も刺激的であり、幅広い範囲に及びます。だからこそ、セールスとエンジニアの2つの領域の高いスキルと能力が求められますが、IT業界でのキャリアを考えたときにも、セールスエンジニアの経験は貴重なものになります。
今回は、セールスエンジニアの仕事内容、セールスエンジニアに必要なスキル・資格、平均年収、セールスエンジニアに向いている人などについて見てきました。新しいキャリアにチャレンジしたい! 将来のキャリアを考えてステップアップしたい! そんな方は、ぜひセールスエンジニアを目指してみてください。

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