「DNSサーバは応答していません」の要因とは?解決方法まで解説

DNSサーバとは

DNSサーバとは、ユーザーが目的のWebサイトにアクセスするための仕組みを支えているサーバです。DNSサーバのDNSとは「ドメインネームシステム(Domain Name System)」の略で、Webサイトの住所を人間にわかりやすい形で表現した「ドメイン名」(URL、あるいは単にアドレスなどと呼ばれます)と、コンピューターが使う「IPアドレス」と紐づけています。ドメイン名をIPアドレスに翻訳(その逆も同様)しているとも言えます。
ドメイン名とIPアドレスを紐づける作業を「名前解決」と呼びます。DNSサーバは名前解決を担当するサーバであり、DNSサーバに不具合があると、「DNSサーバは応答していません」というエラーの原因になります。

ドメイン名・IPアドレスとは

ドメイン名は、Webサイトのインターネット上での場所を人間にわかりやすい形で表現したものです。WebサイトのURL「www.」の後ろの部分、当サイトで言えば「brain-gate.net」がドメイン名です。

一方、IPアドレスは、インターネット上でコンピューター同士が通信する際に使われている数字です。従来使われてきたIPv4では、32桁の2進法の数字ですが、8桁ごとに「.(ドット)」で区切り、さらに10進法の数値にして「123.45.67.89」というふうに表記します。

IPアドレスはインターネット上の住所のようなもので、IPv4では約43億個の割り当てが可能だったのですが、インターネットの発展とともに足りなくなってきています。そのため現在は128桁の2進法の数字で表すIPv6の導入が進んでいます。

プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの違い

さらにIPアドレスは、効率的に利用するために、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスにわけられています。
グローバルIPアドレスは、先ほど説明したインターネット上の住所のようなものであり、インターネット上で重複しないように割り当てられています。
一方のプライベートIPアドレスは、家庭や企業内のコンピューターに割り当てられるIPアドレスで、インターネットに直接接続していない機器のためのIPアドレスです。

インターネットに接続しているのに「直接接続しない」とはどういう意味でしょうか?
家庭や企業は、ルータを使ってインターネットに接続しています。ルータはインターネットとつながっているため、グローバルIPアドレスが割り当てられています。
一方、家庭や企業の中のコンピューターは、ルータからプライベートIPアドレスを割り当てられています。インターネットに直接はつながっておらず、ルータにつながり、ルータを介してインターネットにつながっているのです。

ドメイン名=DNSサーバはツリー構造

インターネット上の住所であるドメイン名、そしてドメイン名を使ったインターネット接続を実現するDNSサーバ。世界中に存在する膨大な数のドメイン名を管理し、かつ迅速なインターネットアクセスを提供するために、ドメイン名はさかさまのツリー構造になっています。
例えば「www.example.co.jp」では、1番右の「jp」がツリーの最上位に相当し、トップレベルドメインと呼ばれます。その左の「co」はセカンドレベルドメイン、さらにその左の「example」はサードレベルドメインとなります。
おわかりかと思いますが、国>会社>会社名というイメージで、大きなまとまりから、小さなまとまりへ、というふうに管理しています。

同じようにDNSサーバも「jp」や「com」などのトップレベルドメインを管理するDNSサーバ、「co」や「ne」などを管理するDNSサーバ、企業名などを管理するDNSサーバも階層構造になっています。

DNSサーバの種類

階層構造になっているDNSサーバのうち、最上位のドメインを管理するのが「DNSルートサーバ」です。すべてのアクセスは基本的にはDNSルートサーバにアクセスするため、インターネットの最も重要なサーバと言えます。またDNSルートサーバをサポートするためにDNSキャッシュサーバという仕組みも設けられています。

DNSルートサーバとは?

階層構造になっているDNSサーバのうち、最上位に位置するサーバをDNSルートサーバと呼びます。DNSルートサーバは世界中に13台あり、「jp」「com」「org」などのトップレベルドメインを管理しています。13台のうち、1台がマスターで他の12台はマスターをミラーしています。日本も12台のうちの1台を管理しています。
DNSルートサーバはトップレベルドメインだけを管理していルータめ、膨大なアクセスを大まかに「jpはこっち」「comはこっち」と振り分けているイメージです。次に「jp」を受け持っているDNSサーバが「coはこっち」「neはこっち」と振り分け、さらに「co」を受け持つDNSサーバがアクセスを振り分けていきます。
階層構造になっているドメイン名=DNSサーバを最上位にあるDNSルートサーバから下っていくことで、目的のWebサイトにアクセスできるのです。

DNSキャッシュサーバとは?

ただし、世界に13台しかないDNSルートサーバにすべてのアクセスが集中するとなると、膨大な作業量になり、処理が遅延してしまう可能性があります。それを解決する仕組みが、DNSサーバが処理で得た情報を一時的に保管しておくDNSキャッシュサーバです。
DNSキャッシュサーバは、以前行った処理と同じ処理を行う場合はDNSルートサーバにアクセスすることなく、保管しておいた情報(キャッシュ)を使って処理します。
こうすることでDNSルートサーバの負荷を減らし、迅速な処理を実現しています。

DNSサーバがWebサイトを表示させる流れ

ドメイン名やDNSサーバについて説明してきました。ここでDNSサーバがWebサイトを表示させるまでの流れを整理してみましょう。

・パソコンやスマートフォンのWebブラウザにアクセスしたいWebサイトのドメイン名(www.~)を入力する
・パソコンやスマートフォンがDNSキャッシュサーバにドメイン名を送信する
・DNSキャッシュサーバがDNSルートサーバにドメイン名に対応するIPアドレスを問い合わせる
・DNSルートサーバがDNSキャッシュサーバに該当するトップドメイン名(jp、comなど)を管理しているDNSサーバの情報を送信する
・DNSキャッシュサーバがルートサーバから教えられたDNSサーバにドメイン名に対応するIPアドレスを問い合わせる
・DNSサーバがDNSキャッシュサーバにIPアドレスを回答する(場合によっては、階層を下るかたちで複数回繰り返す)
・DNSキャッシュサーバが目的のIPアドレスを入手、パソコンやスマートフォンにIPアドレスを送信する
・パソコンやスマートフォンが目的のWebサーバにアクセスする
・WebブラウザにWebサイトが表示される

パソコンやスマートフォンのブラウザにドメイン名を入力した時には、世界中にあるDNSサーバが連携して、これだけの作業を一瞬で処理し、Webサイトが表示されているわけです。

「DNSサーバは応答していません」というエラー表示の要因別解決策

Webサイトを表示すルータめの処理は、効率的ではありますが、複数の処理が行われており、「DNSサーバは応答していません」というエラーが表示された場合は複数の要因が想定されます。順に見ていきましょう。

インターネットに接続できていない場合

そもそもインターネットに接続できていなければ、DNSサーバにアクセスできません。まずは基本中の基本として、インターネット接続を確認します。有線LANの場合は、ケーブルが抜けていないか、ハブの電源が落ちていないかを確認します。無線LANの場合は、無線の接続状況や無線ルータなど使用機器の電源を確認してください。

インターネット接続に問題はないが、DNSサーバに接続できていない場合

インターネット接続は問題ないにもかかわらず、DNSエラーとなる場合は、DNSサーバが一時的に混雑しているか、DNSサーバがダウンしている可能性があります。

一時的な混雑の可能性

アクセスが突発的に集中している、あるいは最近では企業がDDoS攻撃の標的となることもあり、DNSサーバが一時的にダウンしている可能性があります。そうした場合は、時間をおいてアクセスするとエラーは解消されているでしょう。

DNSサーバがダウンしている場合

ます。そうした場合は攻撃の対応策が取られるまで待つ、プロバイダーのサイトなどで情報収集を受けてDNSサーバが障害などでダウンしている時は、閲覧者側に解決策はありません。

DNSサーバに問題がある場合

DNSサーバは通常、プロバイダーが用意したものを利用することが多いですが、障害などでダウンしている可能性もあります。その場合は、DNSサーバの設定を一時的に別のDNSサーバや、パブリックDNSサーバと呼ばれる公共のDNSサーバに切り替えることもできます。
企業などで使用している場合は、まず情報システム部門など担当部門に確認してください。

Webサイト自体が閉鎖している場合

Webサイトやサービス自体がすでに閉鎖されている場合は、当然、Webサイトは表示されません。

DNSサーバは、インターネットを支える重要な仕組み

DNSサーバの存在やその働きは、普段、ほとんど意識することはないでしょう。インターネットを支える重要な仕組みが、ドメイン名とIPアドレスであり、DNSサーバです。DNSサーバがエラーを起こすと、Webサイトに接続できなくなり、ビジネスやサービス提供に大きな影響を与えることになります。
仕組みを理解し、万一の際にも慌てることのないようにしてください。

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