陸上特殊無線技士とは? 資格取得のメリットや取得方法など

陸上特殊無線技士とは? 資格取得のメリットや取得方法など

私たちの身の回りにはスマホやタブレット、パソコンをはじめ無線通信の機能を利用する機器がたくさんあります。その無線通信に必要な設備を設置・操作する際に必要なのが「陸上特殊無線技士」と呼ばれる国家資格です。今回は、この資格の概要や取得方法、取得するメリットを詳しく解説していきます。

陸上特殊無線技士とは

「陸上特殊無線技士」というのは、陸上にある無線設備を設置したり操作したりするために必要な国家資格のことです。その資格は、大きく分けて「第1級」、「第2級」、「第3級」、「国内電信級」の4種類に分類されていて、それぞれの級ごとに取り扱いのできる無線の種類や周波数などが異なります。

第1級

陸上にある無線局の空中線電力が500W以下の多重通信を行うことができる「多重無線設備」のうち、30MHz以上の周波数の電波を使用するものが対象で、その技術操作が可能です。主な施設としては、テレビの中継局や携帯電話の基地局などが該当します。

第2級

陸上にある無線局の空中線電力が10W以下の多重無線設備を除いた無線設備のうち、1606.5kHzの周波数の電波を使用するもの、またはそれ以外の陸上の無線局のレーダーなどが対象です。主な施設としては、警察のスピード違反取締りレーダーやハイウェイラジオ局などが該当します。

第3級

消防や警察、タクシー無線の基地局の操作などが主な活躍の場となります。空中線電力が50W以下の無線設備で周波数が25010kHzから960MHzまでの周波数を使用するもの、もしくは空中線電力が100W以下の無線設備で周波数が1215MHz以上の周波数の電波を使用するものの、「外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないもの」の技術操作が認められています。

国内電信級

陸上に解説する無線局のうち海岸局、海岸地球局、航空局または航空地球局を除いたものが対象で、無線電信の国内通信のための通信操作が認められています。

陸上特殊無線技士の資格を取得するメリット

スマホやノートパソコン、タブレットなどが普及している現代では、インターネット設備をはじめとした無線設備というのは欠かすことのできない重要なものです。ただし、無線設備の操作は、その種類によっては資格を取得していないと携わることができないものもあるため、陸上特殊無線技士の資格取得は大きな武器になります。特に、第一級陸上特殊無線技士については、資格保有者に限定した求人もあるため、資格取得は大きなアドバンテージとなるはずです。

また、2020年春に導入された次世代の通信技術「5G」だけでなく、将来的には6Gの導入によって、更に多くの技術者が必要になるといわれています。そのような面でも、陸上特殊無線技士の資格は将来性の期待できる資格だといえるでしょう。

陸上特殊無線技士の資格取得の難易度

陸上特殊無線技士と混同されがちな資格に「陸上無線技術士」という資格があります。陸上無線技術士は陸上無線従事者にとっての最高峰資格といわれている資格です。この資格を取得すると、電波法によって定められた基幹放送局や電気通信事業の固定局、無線測位局など、すべての業務用無線設備を対象とした技術操作が可能となります。

これに対し、陸上特殊無線技士では技術的な操作ができる範囲が限定されています。そのため、陸上特殊無線技士は国家資格ではあるものの、比較的取得しやすい国家資格だといえるでしょう。

具体的な難易度としては、最上位の1級を比べてみても、陸上無線技術士の合格率が20%前後なのに対して、第1級陸上特殊無線技士は30%前後と高くなっています。陸上無線技術士は電気系や通信系の大学卒業レベルが必要ですが、陸上特殊無線技士は無線に関する基本的な知識が身についていれば、独学でも十分に合格の可能性があるというわけです。

陸上特殊無線技士の資格の取得方法

では、実際に陸上特殊無線技士の資格を取得するにはどうしたら良いのでしょうか。資格取得の方法を詳しくまとめてみました。

申し込み方法

陸上特殊無線技士の国家試験は、2月、6月、10月の年3回実施されていて、それぞれ2カ月ほど前から申し込みが可能です。試験日程の詳細については、「公益財団法人日本無線協会」のホームページで確認することができます。受験料は1級が5,362円、2級と3級: 5,162円です。北海道から沖縄まで11拠点の試験会場から最寄りの会場を選びましょう。

試験内容

陸上特殊無線技士の試験内容は、大きく「無線工学」と「法規」の2種類に分類されます。無線工学は「基礎A」、「基礎B」があって、無線の性質やさまざまな無線にかかわる機器の性質、その使い方について出題されます。また、法規では無線を扱う際に必要な法律である「電波法」から問題が出題されるのが一般的です。どちらも広い範囲で詳細な知識が必要となるため、遅くとも試験の半年ほど前から計画的に勉強を進めて、きちんと対策しておくことが大切でしょう。

公募養成課程を利用して資格取得をめざす方法

陸上特殊無線技士の資格は、国家試験を受験する一般的な方法以外に、日本無線協会が実施する「公募養成課程」と呼ばれる講習を受講し、最終日に実施される試験に合格することで資格取得を目指す方法もあります。国家資格を受験するよりも合格率が高いという大きなメリットがありますが、受験料は1級で65,000円以上とかなり割高です。


陸上特殊無線技士というのは比較的取得しやすい資格で、将来的にも高い需要を期待することができます。陸上無線設備を扱う職種を志望している方は、ぜひ上記の内容を参考にして資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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