基地局とは?基礎知識・5G構築・携帯電話をつなぐエンジニア
基地局とは?

携帯電話や移動体通信に興味をお持ちの方であれば、「基地局」という用語を聞いたことがあると思います。ここでは携帯電話に欠かせない基地局について解説します。
基地局とは、無線通信を行う装置や設置場所
スマートフォンでインターネットに接続したり、通話をする時に、スマートフォンと電波をやりとりしているのが基地局です。通話相手のスマートフォンと直接、電波をやり取りしているわけではありません。
通信キャリア、あるいはキャリアと呼ばれる移動体通信業者は、日本中をカバーする通信ネットワークを構築して、携帯電話サービス(移動体通信サービス)を提供しています。キャリアから見れば、自社ネットワークの末端で、加入者であるユーザーにサービスを提供しているのが基地局です。基地局は、ネットワークの末端であると同時に、ユーザーとの無線通信を担当する最前線の装置と言えます。
そうした装置や、装置が設置されている場所を総称して「基地局」と呼んでいます。1つの基地局が対応できるユーザー数や通信量、エリアには限りがあるので、特に人口が密集している場所や人出が多い場所では、多くの基地局が設置されています。
携帯電話がつながるしくみはとても複雑
次に、携帯電話がつながるしくみを見てみましょう。
携帯電話で誰かに電話をかけた場合、携帯電話の電波は、近くの基地局につながります。基地局は前述したように、通信キャリアが構築している巨大な移動体通信網の末端。そして、数多くの基地局や交換局を光ファイバーが結び、通信キャリアの巨大なネットワークが作られています。
携帯電話から基地局に電波で送られた通話データ(音声データ)は、基地局から、複数の基地局を束ねている交換局へ送られ、さらに日本中をカバーする幹線ネットワークを通じて、通話相手の最寄りの交換局へ送られ、そこから通話相手に一番近い基地局に送られます。そして基地局から電波で相手の携帯電話に送られます。
簡単に書くと、
携帯電話>基地局>交換局>幹線ネットワーク>交換局>基地局>携帯電話
という流れになります。場所的に近くの相手に通話する場合は、幹線ネットワークまで行かず、同じ交換局、同じ基地局を通って通話する、ということもあるでしょう。
携帯電話の基地局アンテナとは?

携帯電話の基地局と言えば、特徴的なのはアンテナです。都市部ではビルの屋上や、郊外では鉄塔の上に設置されたアンテナをご覧になったことがあると思います。基地局のアンテナがどんな働きをしているのか、どんな種類があるのかを見ていきましょう。
セル方式でエリアをカバー
携帯電話の基地局には、郊外の基地局、都市部の基地局、さらには地下街の基地局など、さまざまなタイプがあります。1つの基地局がカバーできる範囲、すなわち電波が届く範囲は「セル」と呼ばれます。
携帯電話は数多くのセルで全国をカバーする「セル方式」によって、日本中での高品質な通信を実現しています。
基地局アンテナは無指向性アンテナ
アンテナにはテレビの受信アンテナのように特定の方向の電波への感度が高くなる(特定の方向の電波を良く受信できる)指向性アンテナと、全方向の電波を受信できる無指向性アンテナがあります。携帯電話の基地局は無指向性アンテナ。全方向の電波に対応できます。つまり1つの基地局がカバーできるセルは、基地局を中心に「円」状に広がっています。
電波を遮るものが少ない郊外では、広い範囲をカバーできる基地局で大きなセルを作くって、広い範囲をカバーします。一方、建物などが多い都市部では、ビルの屋上などにアンテナを立て、比較的小さなセルをたくさん作っています。
高品質な通信を効率的に実現するために、どこに、どのようなアンテナを作るか。すなわちどのようなセルでエリアをカバーしていくかが、キャリアの通信品質を左右しています。
基地局アンテナの種類
基地局アンテナは、設置場所によって大きく以下の4つの種類に分かれます。それぞれカバーする範囲も違い、場所やユーザー数などに応じて設置されます。
*鉄塔タイプ
20m~50mくらいの鉄塔に設置されるアンテナ。主に郊外の見晴らしの良い場所に設置されます。カバー範囲(セル)は、半径3~6km。
*ビル設置タイプ
都心部のビルが密集している場所に設置されるアンテナ。高いビルの屋上などに設置されます。カバー範囲(セル)は、半径1~3km。
*小型基地タイプ
主に電柱に設置される小型のアンテナ。コンクリート柱タイプとも言われます。カバー範囲(セル)は、半径200~500m。
*屋内アンテナ
地下街や大型ビルの内部など、電波が届きにくい場所をカバーするために設置されます。カバー範囲(セル)は、半径約30m。
基地局を設置するエンジニア
携帯電話は今まさに「5G」サービスがスタートし、新たなステージを迎えています。ですがキャリアはすでに2030年頃の6G(第6世代)サービスの提供開始を目指して動き出しています。そうした状況の中で注目を集めているのが、基地局の場所の選定や設置を担当する基地局エンジニアです。通信インフラエンジニア、モバイルエンジニアなどとも呼ばれます。
基地局を設置するエンジニアの需要がある3つの理由
注目の基地局エンジニア、その人気の理由を改めて整理してみましょう。
1. スマホの普及
情報通信白書(令和2年版)によると、スマートフォンの世帯における保有率は2019年に83.4%となり、初めて80%を超えました。個人においても67.6%となっています。もはやスマートフォンは当たり前の存在であり、私たちの生活に欠かせないものになっていることは言うまでもありません。
2. サービス範囲拡大に伴う小さな基地局の増加
スマートフォンの普及が進み、ますます「なくてはならない存在」になるにつれて、スマートフォンが「つながらない」あるいは「通信品質が悪い」という状況は、ますます避けなければならないことになっています。
携帯電話の基地局はすでに日本中をカバーしていますが、例えば、建物の中、地下街、電車の車内、あるいは大勢の人が集まる場所など、「つながりにくい」場所をなくし、動画や音楽などのコンテンツをはじめ、多種多様なサービスを、安定的に、快適に提供するために、基地局の設置はよりきめ細かく進められています。
3. 5Gの構築
新たにサービスがスタートする5G。通信速度は現在の4Gの約100倍になり、2時間の映画がわずか3秒程度でダウンロードできるようになると言われています。
さまざまなコンテンツやサービスが今以上に快適に利用できるようになるだけでなく、5Gの超高速・大容量通信というメリットを生かして、現在では不可能なサービスも可能になります。そんな5Gサービスを支えるのも基地局です。
5Gのサービス拡大に伴い、基地局の設定や既存の基地局のバージョンアップが必要になっていきます。
また5Gは、超高速・大容量の通信を可能にする一方で、現在の4Gの電波よりも「届きにくい」性質を持っています。つまり、基地局の設置は今よりもデリケートなものになります。
ますます重要になる基地局エンジニア
スマートフォンの重要性が高まるとともに、基地局の重要性は高くなり、それを支える基地局エンジニアの役割、存在感も大きくなっています。基地局エンジニアは、現代社会の新しいインフラとなった携帯電話ネットワーク(移動体通信ネットワーク)を構築し、支えていきます。
これまで、通信ネットワークは他のインフラと同様に「縁の下の力持ち」的な存在として捉えられてきました。しかし、5G、さらには6Gと通信サービスが進化していくなか、基地局エンジニアは、キャリアの競争力やサービスの「源泉」を生み出す存在になっていくでしょう。
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