SIerの「将来性がない」と言われる理由とは?今後の需要やお悩み解消法を解説

そもそも「SIer(エスアイヤー)」の仕事内容とは?SE・SESとの違いはなに?

「SIer」は、ITシステムの開発・構築や導入を行う会社をいいます。システムインテグレーション(System Integration)の頭文字である「SI」に、「~する人」という意味を持つ「-er」を組み合わせた和製英語で、実は海外では使われていません。
SE(システムエンジニア)は、ITシステムなどの設計・運用を行うエンジニアのことですが、SIerはSIを行う人ではなく、会社を表します。
また、SES(システムエンジニアリングサービス)という言葉もありますが、これはシステム開発における委託契約の一種で、システム開発のためにエンジニアの技術力を提供するサービスをいいます。

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SIerには将来性がないと言われる理由と具体的な課題

最近、SIerには将来性がなく、「オワコン」などといわれます。
・クラウドサービスの普及による台頭
・優秀な人材のSIer離れによる人材不足
・多重下請け構造による人月商売ビジネスの縮小
・日本特有のビジネスのためグローバル展開ができない
・技術職ではないのでスキルが身につかない
などが理由にあげられています。詳しく見ていきましょう。

クラウドサービスの普及による台頭

SIerに将来性がない理由として一番にあげられるのが、クラウドサービスの普及です。クラウドサービスは、もともとサーバをクラウドで提供するサービスとして始まりましたが、今では、PaaS(パース:Platform as a Service)、SaaS(サース:Software as a Service)と呼ばれるサービスが登場し、「システムをイチから開発しなくても、既存のサービスを利用できる環境」が整ってきました。個別の企業のニーズに応じてシステムを開発してきたSIerの存在意義が根本から揺るがされているのです。またSIerは開発したシステムの運用や保守で収益をあげ、顧客との関係を維持してきました。クラウドサービスの普及・拡大により、顧客との関係も大きく変わっています。

優秀な人材のSIer離れによる人材不足

SIerは顧客企業のニーズに細かく対応し、顧客の使い勝手のよいシステムを構築してきました。そのため、どうしても仕事量は増え、スケジュールが限られているなかで、仕事環境は厳しいものになりがち。昨今では、そうした仕事環境が敬遠され、慢性的な人材不足になっています。人材不足から開発力が低下し、一方でクラウドサービスの普及が進むというネガティブなサイクルに陥っている面があります。

多重下請け構造による人月商売ビジネスの縮小

大手SIerの多くは、企業から請け負ったシステム開発を自社で行っているわけではありません。実際の作業は、下請けの開発会社に発注され、しかも一次、二次、三次と下請けが多重になっていることも少なくありません。こうした業界構造には批判もあり、しかもSI業界全体の人材不足で、こうした構造が成り立たなくなってきています。
またSI業界は「開発にかかわる人数✕開発月数」でコストを割り出してきましたが、SIの成果や効率が重視されるようになり、ビジネスモデルそのものの見直しが迫られています。

日本特有のビジネスのためグローバル展開ができない

デジタル化・IT化の進展により、システム開発は企業の競争力を左右する重要な経営課題になっています。海外ではその意識が強く、システム開発のすべてを外注するケースは少なくなっています。つまり、企業がSIerにシステム開発を外注し、運用や保守まで依頼するというビジネスモデルは日本特有のもの。グローバルな競争が進むなかで、SIerのビジネスは国内市場に限られており、グローバル展開できないといわれています。

技術職ではないのでスキルが身につかない

SIerは企業のシステム開発を請け負い、システムの企画から要件定義、開発、運用・保守と幅広い業務にかかわります。そのためプログラミングなどの技術力よりも、顧客との折衝やプロジェクトマネジメントなどの能力が求められます。エンジニアとしての実戦的なスキルを身につけることができる環境ではありません。仕事環境や働き方が大きく変化している今、個人が経験やスキルを身につける場としては、SIerは適していない場所になりつつあるといえます。

SIer業界は今後なくなる?

SIerが「オワコン」などといわれる理由を見てきました。さまざまな問題を抱えているSIer業界は今後、なくなってしまうのでしょうか。業界として、これまでのような大きな成長は難しいかもしれませんが、SIerがなくなる可能性は低いでしょう。クラウドサービスの普及が進むとはいえ、日本では顧客のニーズに合わせた、きめ細かなシステム開発が望まれる傾向があります。SIerの需要はなくならないでしょう。
一方で、IT業界は競争や技術開発がグローバルに進展する業界です。またさまざまな業界でIT化・デジタル化など、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められているなかで、エンジニア不足が指摘されています。エンジニアとして高いスキルを身につければ、活躍の場は大きく広がっています。

SIerがこれからも必要とされる理由とは?

SIer業界はなくならないばかりか、
・DXの需要拡大
・官公庁・金融機関など大型案件の存在
・働き方改革による職場環境の改善
などから、今後も必要とされています。それぞれ見ていきましょう。

DXの需要拡大

さまざまな業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が叫ばれています。企業がDXを推進するには、古いシステムを一新し、インターネットを介した利用や、タブレットやスマートフォンでの利用を前提としたシステムを構築する必要があります。
長年、企業のシステム開発を請け負ってきたSIerは、DX推進においても、企業の有力なパートナーとなります。

官公庁・金融機関など大型案件の存在

官公庁や金融機関などは、システムが大規模になるうえ、高いセキュリティが求められます。一部、クラウドサービスの利用も進められていますが、地政学的なリスクから国内SIerによる開発・運用が重視される面もあります。
また案件の規模も大きくなるため、現実的に受注できるシステム開発会社は限られ、経験と実績を持ったSIerの存在は不可欠と考えられています。

働き方改革による職場環境の改善

働き方改革、あるいは新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワークの進展で、SIerの仕事環境、職場環境の改善が進んでいます。多重下請けについても、見直しが進められています。
SIerを取り巻く環境の変化、そしてSIer自体の変化により、SIerはこれからも産業を支える重要な業界として存在していくでしょう。

SIerの将来性に不安を感じるITエンジニアが今からできる対策

ITエンジニアの活躍場面は今後ますます広がっていきます。スキルを身につけて自らの市場価値を高め、チャンスをつかむためには、どうすればよいでしょうか。
・副業で専門スキルや経験を培い、高めていく
・人をまとめられるような管理スキルを身につける
・Web系など自社開発を行う企業への転職をする
・フリーランスとして独立をする
など、具体的な対策を考えていきましょう。

副業で専門スキルや経験を培い、高めていく

副業が解禁されたり、推奨される時代になってきています。SIerとして働きながら、副業で開発案件を請け負い、スキルや経験を高める方法があります。本業に影響が出てしまっては本末転倒になりますが、まず土日など空いた時間で対応できる小さな案件をクラウドソーシングサービスなどで探すとよいでしょう。

人をまとめられるような管理スキルを身につける

クラウドソーシングサービスが普及して、個人が案件を受注できる環境が整う一方で、実はプロジェクトをまとめることのできる人材が常に求められています。SIerはクライアントとの交渉スキルや、プロジェクトマネジメント能力を磨くことができる場です。意識的にこうしたスキルを身につけていくことも、キャリアアップの有力な選択肢となります。

Web系など自社開発を行う企業への転職をする

自社でサービスを開発し、展開しているWeb系企業などに転職し、より実戦的な経験とスキルを身につけるという選択肢もあります。SIerのシステム開発では、信頼性・安定性が重視されるため、どうしても枯れた技術が使われがちになりますが、Web系企業は、他にないサービス、競合企業を上回るサービスを提供するために新しい技術を積極的に取り入れています。

フリーランスとして独立をする

SIerの将来性に不安を感じていて、自身の知識とスキルに自信があるなら、フリーランスのITエンジニアとして独立する選択肢もあります。今はクラウドソーシングなど、フリーランスのITエンジニアが活躍できる環境が整っています。またコロナ禍でテレワーク、リモートワークが普及していることもフリーランスにとっては有利な環境といえます。

ITエンジニアとしてのキャリアパス・キャリアプラン

SIerは日本特有の業態で、グローバルな競争のなかでは生き残れないなどといわれます。確かにその一面はありますが、日本のIT市場はきめ細かな対応を望むユーザーの傾向や商習慣など、固有の特性を持っており、そうした面に注力していくことは競争力につながるともいえます。つまり、ITエンジニアとしてどのようなキャリアパス・キャリアプランを描くかが最も重要。個人として戦略的にキャリアアップを実現していくことが重要になります。

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