Shellとは?概要と種類、使い方まで徹底解説

Shellって何?

Shellは、コンピュータのOSを構成するソフトウェアのひとつです。ユーザーからの操作を受け付け、それをOSに伝えて具体的なコンピュータの動作につなげたり、ユーザーへの情報の提示(結果表示)などを担います。

OSだけでなく、それ以外のソフトウェアやアプリケーションでも、上記のような役割を担う機能のことをShellと呼ぶことがあります。

Shellの役割

Shellは、ユーザーからのコマンド(入力指示)を、OSの中枢であるソフトウェア「カーネル」に伝達する役割をもっています。平たくいえば、ユーザーとカーネルの仲介役がShellです。

具体的な仕組みは次のとおりです。

ユーザーがコマンドを入力する
  ↓
Shellがユーザーからのコマンドを受け、カーネルに指令を送る
  ↓
カーネルが指令を受け取り、結果をShellに返す
  ↓
結果を受け取ったShellが、ユーザーに結果を表示する

Shellとシェルスクリプトの違い

Shellと混同しやすい用語に、「シェルスクリプト」があります。これはどちらにも「シェル」がつくことから、間違えてしまうようです。両者の違いを解説していきましょう。

シェルスクリプトとは、Shellが各ソフトウェアに伝える指令をまとめたファイルのことです。

一方、Shellは前述したとおり、ユーザーからのコマンドをカーネルに伝達する役割をもったプログラムのことなので、まったく別ものといえます。

たとえば、コンピュータでアプリケーションAを立ち上げる場合、Shellは「アプリケーションAの立ち上げ」というシェルスクリプトをカーネルに送るということになります。

ちなみに、シェルスクリプトはShell上で実行できるスクリプト言語のことを指すこともあります。

Shellの種類

Shellには、sh系とcsh系の2つに分類され、それぞれにいくつか種類があります。なかでもおもな種類である「bash」「tcsh」「zsh」の3つの特徴を解説していきましょう。

bash

いくつか種類があるShellのなかでも、もっともスタンダードなShellが「sh系(Bシェル系)」と呼ばれるプログラムです。そのsh系に分類されるプログラムが「bash」となります。正式名称は「Bourne Again Shell(born again shell)」といい、GNUプロジェクトにより開発されました。

bashのShellプログラムが採用されているのは、おもにUNIX系のOSです。ちなみにLinuxのシステムにはデフォルトで、macOS、Microsoft Windowsにも導入されています。

特徴は、コンピュータの基本動作を担うことです。そのため、複雑なタスクを効率的にさばくことができたり、ログを抽出することができます。ほか、Shellの種類のひとつである「sh(Bシェル)」と後方互換性を持つことも特徴といえるでしょう。これにより、shを置き換えることができます。

tcsh

tcshは、UNIX系で採用されたShell「csh(Cシェル)」を利用しやすく改良したShellです。具体的には、コマンドライン(コマンドの入力部分)の編集機能、ファイル名やコマンドの補間機能があるシステムである「Tenex」という機能を、Cシェルに組み込んだものとなります。

tcshのShellプログラムが採用されているのは、おもにUNIX系のOSです。

C言語に似た文法で構成されるプログラムであることが特徴で、C言語を勉強した人や使っている人ならシェルスクリプトの開発が簡単にできるでしょう。

zsh

zshは、前述したbashやtcshといったShellプログラムの機能のいいとこ取りをした万能なShellです。独自の拡張機能を実装しているのが特徴ですが、多くの機能があることから、プログラムが重たくなる、使いこなすのに時間がかかるのがデメリットといえるかもしれません。

Shellの特徴と活用方法

Shellを使うとどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、Shellの特徴と活用方法を解説し、Shellを使うことのメリットを紹介します。

Shellの特徴はおもに3つあります。
1つは、コマンドを記述したうえで伝達することです。コマンドは、上から下へ実行していくため、定期的な動作を自動で行えます。これにより、メンテナンスやデータ表示などといった決められたスパンで行う操作を効率化できるのがメリットです。

2つ目は、カーネルリクエストが簡単にできることが挙げられます。従来のプログライミングのようにシステムアクセス用のプログラムコードを作成することなく、コマンドラインで必要な操作が可能です。

3つ目は、シェルスクリプトを使うことが特徴です。シェルスクリプトを使えば処理手順をコードとして作成でき、バッチ処理や一括実行を簡単に行えます。複数の作業手順を一括実行できれば、作業品質のばらつきがなく、均一化が可能となります。

Shellの操作方法の手順は次のとおりです。

【1】emacsやviなどのテキストエディタを使用してシェルスクリプトの実行ファイルを作成
【2】シェルスクリプトに実行権限を与える

そのほか、JavaやRubyなどといった複数の別のプログラミング言語を組み合わせて使うことで複雑な作業を効率化でき、Shellの活用の幅を広げられることもあります。

Shell開発を行う方法

Shellは、ユーザーが希望する操作のコマンドをカーネルに伝達する役割をもつプログラムです。前述したとおり、Shellによって定期的な動作を自動で行えたり、バッチ処理や一括実行ができるようプログラムを組むことができます。上手に活用すれば大幅に作業効率を上げられるでしょう。なかでも、メンテナンスやデータ表示、logの吐き出し、疎通確認などのシーンで活躍します。

Shellの開発は決して難易度が高いものではありません。しかしながら複雑な処理をしたい場合にはShellでベースのプログラムを作り、その上でほかのプログラミング言語を使って開発を行う必要があります。よって、Shell開発を進める場合には外部の専門システム会社へ発注するほうがよいでしょう。

Shellの特徴や仕組みを理解し、使ってみよう

Shellは、UnixやLinux系OSで開発を行う場合には、ほぼ使うことになります。また、Shellを使うことで作業効率の大幅アップが見込める、ヒューマンエラーを減らせる、というメリットもあります。UnixやLinux系OSユーザーであれば、Shellの特徴や仕組みを理解し、使ってみてはいかがでしょうか。

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