派遣の雇い止めは違法ではない? 回避する方法はある?

派遣の雇い止めは違法ではない? 回避する方法はある?

勤務時間や職種、勤務地など自分が理想とするライフスタイルに合った条件の仕事に就ける「派遣」という働き方。キャリアやスキルを生かすことができるだけでなく、ワークライフバランスも実現しやすいなどメリットの多い働き方ですが、その一方で大きなデメリットになり得るのが「雇い止め」のリスクがあるということです。
そこで今回は、ニュースで話題になることも多い「派遣社員の雇い止め」について、法的な考え方や回避の方法を詳しく解説していきます。

派遣社員の雇い止めは違法?

派遣社員というのは、一般的に派遣会社と雇用関係を結び、派遣会社から紹介された企業で一定期間働く社員のことです。このように、あらかじめ契約期間が定められた労働契約のことを「有期雇用契約」と呼びます。そして、この有期雇用契約というのは、契約期間が満了すると雇用関係も終了するというのが原則のため、派遣社員の使用者が契約の更新を拒絶する「雇い止め」を行ったとしても違法にはなりません。

そもそも派遣の「雇い止め」とは?

雇用契約には、大きく分けて雇用期間の定めがない「無期雇用契約」と、1年契約または2年契約というようにあらかじめ雇用期間を定めている「有期雇用契約」の2種類があり、そのうちの有期契約の社員のことを「契約社員」といいます。

「雇い止め」というのは、契約社員の雇用期間が満了した際に更新を行わず、雇用契約を終了することを意味します。ただし、季節限定の仕事やあらかじめ一時的と決められている仕事については、その期間を終了後に契約を更新しなかったとしても雇い止めには該当しません。

具体的な例を挙げてみるとすれば、夏休み期間のプール監視員の仕事や、クリスマスやバレンタインなどのイベント時期の仕事などです。また、雇用期間が初めて満了した際に1度目の更新を行わなかった場合や、あらかじめ「更新○回まで」と決められていた場合、またはその社員の勤務態度などに明らかな問題がある場合などには、契約を更新しなくても雇い止めには該当しません。

では、派遣社員の場合はどうでしょうか。派遣社員というのは分類上、雇用期間のある「有期雇用契約」に該当するため、残念ながら雇い止めになる可能性はゼロではありません。特に、今年は新型コロナウイルスの影響で日本国内でも雇用の悪化が加速していて、厚生労働省の発表によると7月31日の時点で非正規社員の解雇または雇い止めの件数は1万6000人を突破したことが明らかになっています。しかもこの数字というのはあくまでも、ハローワークなどに寄せられた相談件数をもとに算出したものであって、実際の解雇・雇い止めの件数はそれ以上のはずです。

このような事態に対して、厚生労働大臣は「安易な雇い止めを控えるように」という要請を派遣業界団体に出していますが、現実的な強制力が小さいため派遣の雇い止めは今後も増加していくことが心配されています。

雇い止めを回避する方法はあるのか?

有期雇用契約である派遣は、あらかじめ決められていた契約期間が満了すると同時に自動的に労働契約が終了するのが原則ですが、契約期間が満了を迎えた場合に、双方の同意の上で契約を更新することは可能です。その際には、新しい契約によって定められた雇用期間の満了時に雇用契約が終了することになります。

とはいえ、何度も更新を繰り返しながら長年同じ職場で働き続けてきた場合、派遣社員側が「このまま働き続けられるかもしれない」という期待を持ってしまうことは自然なことです。そのようななかで、ある日突然「契約を更新しません」と言われてしまったらどうでしょう。「契約だから仕方がない」と簡単に諦めることはできないはずです。

このような有期雇用契約で働く人の「期待」を保護し、その地位が不安定になってしまうことを防ぐために設けられたのが「雇い止めの法理」というルールで、現在は労働契約法19条によって明文化されています。具体的には、「これまで何度も契約更新を行ってきたのに、正当な理由もなく契約更新を拒否した場合」、「正社員なることを期待させるような言動があったにもかかわらず、いきなり雇い止めが行われた場合」、「雇い止めの予告をしていなかった場合」などに該当する場合、雇い止めが無効となるケースもあるというわけです。

では、実際に派遣社員が雇い止めに遭った場合、それを回避する方法はあるのでしょうか。雇い止めを伝えられた際に取るべき主な対応は以下の通りです。

  • 派遣会社に依頼をして雇い止めの理由を明確にしてもらう。
  • 雇い止めが違法であることの証拠を集める
  • 労働訴訟または労働審判

これまでの勤続年数、更新回数、他の有期契約社員の扱い、更新を期待させる発言があったかどうかなど、雇い止めが違法であることを証明できる資料を集めます。
雇い止めが無効であることを主張する場合の方法としては、労働訴訟や労働審判という方法があります。いずれの場合も、弁護士など専門家の力を借りるのが理想的です。

派遣社員の雇い止めは違法ではありませんが、労働契約法に抵触する場合には無効となるケースもあります。雇い止めに関することでお困りの際には、専門家などに相談してみることも方法のひとつかもしれません。

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