派遣社員は社会保険に加入できる? その条件と必要な手続き

派遣社員は社会保険に加入できる?  その条件と必要な手続き

派遣社員は正社員などと同じように社会保険に加入できるのでしょうか? 雇用保険、健康保険、厚生年金、労災保険という4つの社会保険における、派遣社員が加入する場合の条件について説明します。

派遣社員も社会保険に加入できる?

派遣社員であっても、一定の要件を満たしていれば正社員と同じように各種社会保険に加入できます。

同時に、一定の要件を満たしている国民が社会保険に加入することは法律に定められた義務でもあります。これは正社員であっても派遣社員であっても、パート・アルバイトであっても同じです。

なお、社会保険の保険料は被保険者もしくは事業主 (会社) 、または双方で負担します。被保険者が支払う保険料は、通常、給与から天引きされます。社会保険に加入できる条件については後述します。

社会保険とはどのような制度なのか

社会保険とは、失業、病気・怪我、高齢化などのリスクに対し、国民の生活を保障するために設けられた公的な保険制度の総称です。国民が相互に助け合うという相互扶助の理念の下に作られた制度であり、強制保険である理由もその理念に基づいたものです。

社会保険の種類には、雇用保険、健康保険、厚生年金保険、労災保険、介護保険の5つがあります。また健康保険と厚生年金保険の2つを狭義の社会保険と呼ぶこともあります。

以下、社会保険に含まれる5つの保険について説明します。

雇用保険

労働者の生活と雇用の安定、そして就職の促進を図るための制度です。よく知られているのは、失業したときに生活維持のために給付される失業等給付でしょう。また、再就職に必要な技術を習得するための職業訓練も用意されており、多くのコースを無料で受講できます。

健康保険

労働者またはその被扶養者の業務災害以外の病気や怪我の際、治療のための費用の一部を国・会社などが負担する制度です。出産、死亡に関しても保険給付を受けられます。

厚生年金

会社員や公務員を対象とした公的年金です。被保険者が老齢になって働けなくなる、病気や怪我で障害が残る、あるいは死亡して遺族が困窮した場合などに保険給付を受けられます。また、厚生年金は基礎年金である国民年金に上乗せされて給付されます。

労災保険

業務上の事由または通勤による労働者の負傷・疾病・障害に対して、労働者やその遺族に必要な保険給付を行う制度です。死亡時にも適用されます。

介護保険

平成12年に開始された介護保険制度は、介護が必要になった高齢者の自立を支援し、多様な保健医療サービスや福祉サービスを受けられることを目的とした保険です。

社会保険に加入するメリット

まず挙げられるメリットは、厚生年金に加入することで、国民年金に入っている場合よりも負担が減る一方、将来給付金や年金として受け取る金額が増える点です。厚生労働省が公開している「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、国民年金(老齢基礎年金)の平均支給額は、月額で55,615円、厚生年金の月額の平均支給額は147,051円となっています。

健康保険についても、保険料が全額自己負担となる国民健康保険よりも、会社との折半となる社会保険の健康保険のほうが負担額は少なくなります。さらに社会保険の健康保険では、被保険者が業務外の病気や怪我による療養中で仕事ができず、4日以上仕事を休んでいて給与の支払いがない場合には傷病手当金が支給されます。また出産のため仕事を休んで給与が受けられない場合には出産手当金も給付されます。国民健康保険ではこれらの手当金の支給はありません。この点もメリットです。

労災保険については、雇用主となる会社が保険料を全額負担します。被保険者は業務災害と通勤災害について、保険金の給付を受けられます。たとえば仕事中に怪我をした、働き過ぎが原因で心身に不調をきたした、通勤途中で事故にあったといった場合に保険金が支払われます。

派遣社員が社会保険に加入できる条件

派遣社員が各社会保険に加入できる条件は以下のとおりです。

雇用保険

週の所定労働時間が20時間以上で、雇用契約期間が31日以上、または31日以上の見込み (31日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き、基本こちらに該当) がある場合。

健康保険

常用雇用者
週の所定労働時間が通常の社員の4分の3以上 (30時間以上) 、月の就業日数が通常の社員の4分の3以上 (15日以上) 、雇用契約期間が2カ月を超えるまたは2カ月を超える見込みがある場合で、年齢が75歳未満 (誕生日の前日まで) の人 (例外事項あり) 。

短時間労働者 (1)
週の所定労働時間が通常の社員の4分の3以上 (30時間以上) 、月の就業日数が通常の社員の4分の3未満 (15日未満) 、雇用契約期間が1年以上または1年以上の見込みがある、月額賃金が88,000円以上の場合で、年齢が75歳未満 (誕生日の前日まで) の人。

短時間労働者 (2)
従業員が500人を超える (501人以上) の企業に勤めており、週の所定労働時間が通常の社員の4分の3未満 (20時間以上30時間未満) 、雇用契約期間が1年以上または1年以上の見込みがある、月額賃金が88,000円以上の場合で、学生ではなく、年齢が75歳未満 (誕生日の前日まで) の人。

厚生年金

加入資格要件は、常用雇用者、短時間労働者とも健康保険とまったく同じで、ただし、いずれも年齢が70歳未満 (誕生日前日まで) の人。

労災保険

すべての場合で、就業開始時点から自動的に適用されます。

介護保険

日本国民であれば40歳以上になると介護保険に加入し、死亡するまで保険料を支払うことが義務付けられています。

派遣社員が社会保険に加入するときに必要な手続き

まず、社会保険に加入する手続きをします。通常は、派遣会社の指示に従って手続き書に必要事項を記入して提出するなどすれば、会社側で手続きを進めてくれるはずです。加入手続きには、以前就業していた会社で雇用保険に加入していた場合は雇用保険被保険者証、さらに年金手帳、基礎年金番号通知書が必要になります。

社会保険に加入したあとは、以前、加入していたのが国民健康保険・国民年金だった場合、あるいは親や配偶者の保険に被扶養者として加入していた場合のみ、その保険から脱退する手続きを行います。国民健康保険・国民年金に加入していた人は市区町村に問い合わせて手続きをし、国民健康保険保険証を市区町村に返却します。被扶養者になっていた人は、扶養していた人の会社へ申し出て、扶養を抜ける届け出をします。

社会保険に加入するのを拒否することはできる?

前述の通り、法律で定められた義務であるため、個人の意思で社会保険への加入は拒否することはできません。上記の加入できる条件を満たしている場合は、強制的に加入することになります。

保険にはほかに生命保険など民間の保険もありますが、民間の保険は加入するかどうかを自由に決められます。しかし、公的なものである社会保険は、加入するかどうかを自分の都合で決めることはできません。

派遣社員であっても、いえ、むしろ派遣社員であるからこそ、万一のときに給付などのサポートを受けられる社会保険は重要です。自分の社会保険がどうなっているのかなど、もしも社会保険に関して少しでも疑問がある場合には、所属する派遣会社に確認することをおすすめします。

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