2030年には79万人IT人材が不足する?エンジニアの将来性と今後の転職市場

IT人材はこれからも不足していく

以前から人材不足について問題視されているIT業界ですが、本当に人材が不足しているのでしょうか?そして人材不足と言われる背景には、どのようなことがあるのでしょうか?

2030年には約79万人のIT人材が不足する見込み

IT業界の人材が不足するという話は、本当のこと。経済産業省は2019年、「IT人材需給に関する調査」を発表しました。それによると、新卒でIT人材として就職する人数が増加し、IT関連の人材数は2030年まで右肩上がりで増加していくと試算されました。
さらに、今後IT関連の職につく人材(供給)と、企業が求める人材(需要)について試算。需要の伸びがもっとも高い場合、中程度の場合、低い場合の3段階でシミュレーション。その結果、2030年における需要と供給の差は、伸びが低い場合でも約16万人、中程度なら約45万人、もっとも需要が伸びた場合は約79万人と試算されたのです。
つまり、IT業界の需要は供給よりずっと多くなり、2030年にはおよそ79万人もの人材不足になる可能性があるということです。
この試算では、2020年の段階でも30~40万人ほどの人材が不足していると予測。現在のIT市場で、数多くの募集案件が出ていますが、わずか10年後にはその2~3倍程度に募集案件が増える可能性があるということです。
この調査報告書では、ITの需要構造が変化しており、それに伴ってIT人材が不足していることを明言。AIを活用するなど、これから起きるIT人材不足に対応することが、企業には求められていると、まとめています。

IT 人材需給に関する調査(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

ITエンジニアが不足する理由

IT業界でこれほど人材が不足するのは、なぜなのでしょうか?考えられる理由として、IT業界や技術の急成長と、少子高齢化の2つがあります。

IT業界・IT技術の急成長

IT業界の人材が不足するひとつめの理由に、IT業界の急成長があります。1990年代後半にインターネットが登場すると、2000年代前半にメールやインターネットの利用が大きく伸びていきました。1999年のインターネット利用率はわずか20%ほどでしたが、2002年頃には50%を突破。それに伴い光回線など高速で通信できる電気通信網の整備が進んでいきました。さらに2000年代後半から2010年代にかけて、一気にスマートフォンが普及。インターネット利用率は80%を超えるまでになったのです。
人々が当たり前にインターネットを日々の生活で利用するようになると同時に、企業でもIT化、IoT化が加速。さまざまなサービスがデジタル、IT化されていきました。さらに新型コロナウイルスの感染拡大によってリモートワークが奨励されるようになると、オンラインで行える各種サービスの人気が上がり、IT化の必要性がさらに高まっています。これまでは紙で用意していた書類を電子化して、企業のさまざまな情報をクラウドに保存するなど、企業はますますIT化を進めていくことが求められています。
また日本を含め世界でIT化の波が押し寄せていることに伴い、IT技術も格段に急成長をとげています。このような背景から、最先端の技術に対応したITの人材が、多くの企業で求められるようになっているのです。

インターネット普及率(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd111120.html

少子高齢化による人材不足

さらに少子高齢化の問題もあります。経済産業省の資料によると、日本の出生数は、第一次ベビーブームの1949年は約267万人でしたが、どんどん減少。2016年には初めて100万人を割り込み、2017年には約94万人にまで減り、2050年には約65万人になると見込まれています。これに伴い、労働可能な15~64歳の労働人口の割合も減少。65歳以上の高齢者の割合は増えるのに、労働人口はこれからも減少していくと言われているのです。
そのため、IT業界に限った話ではありませんが、あらゆる業界で人材不足の問題に直面していくことになるのです。企業では定年の年齢を引き伸ばしたり、再雇用を促進したり、外国人労働者を受け入れたり、さまざまな対策を行っています。しかし、IT業界の仕事は、ITに関連した特別なスキルや経験を持った人材が求められるため、誰でもできる仕事というわけにはいきません。
このような背景から、IT業界の人材不足はさらに加速していく可能性があるのです。

2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/001_04_00.pdf

求められるIT人材になるためには?転職市場と将来性

IT業界の転職市場は、今後どのようになっていくでしょうか。その将来性と、企業が欲しがる人材になるために、どんなことができるでしょうか。

転職は売り手市場が当面続く見通し

これまでご紹介してきたように、人材不足が今以上に進むと予測されるIT関連の転職市場では、当面の間、求職者に有利な売り手市場となっていくと見込まれます。
そしてIT人材の中でも、特にエンジニアの不足が進むと言われています。ネットワークやクラウドなどのインフラ関連のエンジニア、スマホ関連のエンジニア、セキュリティ関連に特化したエンジニアなどは、多くの企業が求めており、有利な条件で転職しやすいとみられています。
日本政府は、2020年より小学校の必修科目としてプログラミングを開始するなど、将来の需要に備えた対策を行っています。このように日本社会全体でITへの対応を進めており、しばらくはIT技術を持った人の転職市場は明るいと言えるでしょう。

求められるIT人材になるためにできること

IT人材の不足が叫ばれるなか、企業ではIT人材の質についても問題視することは間違いありません。より求められるIT人材となるためには、スキルアップして質を高めることが大切でしょう。

プログラミングの基礎を身に着ける

IT業界の仕事であれば、プログラミングの基礎を身につけておくことはマスト。プログラミング技術はすべてのIT関連職に必須ではありませんが、現在ではプログラミン技術を持った人が増えてきています。その中でも必要とされる人材となっていくためには、やはり基礎的なプログラミングのスキルと知識を持っておくべきでしょう。

情報セキュリティに詳しくなる

IT技術では、必ずセキュリティ対策が必要となります。不正アクセスやサイバー攻撃などにあい、情報漏洩が起きれば、企業にとって致命傷となりかねません。そのためセキュリティ関連の技術を持った人材は、多くの企業が必要としており、人材が不足しています。セキュリティ関連の知識を身につけておくことは、必ずプラスになるでしょう。

コミュニケーション力を身に着ける

IT関連職であっても、他部署の人とやりとりするなど、コミュニケーション力は必要です。周囲の人と気持ちよくコミュニケーションが取れる人は、企業にとって魅力的に映ることは間違いありません。

スキルアップで求められる人材になろう

IT業界で人材が不足しているのは間違いありません。そして多くの企業が、「本当に求めるようなスキルや経験をもった人材がいない」と感じていることも確かなこと。そこで、ニーズにあったレベルの人材となるためには、スキルアップが欠かせません。新しい技術や知識を学ぶことで、より良い条件の仕事について、キャリアアップできるのではないでしょうか。

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