Webデザイナーとは 仕事内容や必要なスキル・資格などを徹底解説!

Webデザイナーという仕事があることは広く知られるようになりました。しかし一方で、雑誌などのデザインをするグラフィックデザイナーとどう違うのかといった点について疑問を持つ人もいるでしょう。Webデザイナーの仕事内容や、必要とされるスキルについてご紹介します。
Webデザイナーとは
Webデザイナーとは、Webサイトのデザインを担当する人のことです。お客様の意向に沿ってページ設計を行い、テキスト、写真、イラスト、ロゴ、アイコンなどをレイアウトしてWebサイトを美しくデザインします。
ただし、見た目を美しく整えること以外にも、Webデザインにおいてやるべきことはたくさんあります。Webサイトの見やすさ、使いやすさといった実用性を向上させることも重要な要素です。デザインコンセプトを決めてインターフェースを統一し、必要な機能を取捨選択し、閲覧者が必要とする情報に迷わず誘導する導線設計を行うなど、Webサイト全体を快適に利用できるような仕組みを作り上げていきます。
Webデザイナーに種類はある?
Webデザイナーには、大きくわけて次の3つの種類があります。
・広告代理店・制作会社のWebデザイナー
広告代理店や制作会社は、さまざまな企業から依頼を受けてWeb制作を行います。そこで、広告代理店や制作会社に所属するWebデザイナーは、それらの仕事を任されて仕事を行います。ただし、大手の広告代理店では、実際の仕事は制作会社に依頼することも多いため、自らが手を動かして仕事する場面は少ないこともあります。
・インハウスデザイナー(社内Webデザイナー)
企業が自社のWebサイトを作るときに、そのデザインを行うのがインハウスデザイナーです。社内Webデザイナーとも呼ばれます。頻繁に更新するWebサイトを運用しているような企業では、更新のたびに外注するとコストがかかるため、自社にWebデザイナーを抱えて制作を行っています。
・フリーランスのWebデザイナー
企業には所属せず、フリーランスで活動するWebデザイナーもいます。最初は企業に所属してWebデザイナーとして経験やスキルを重ねて、その後独立してフリーランスになるケースが多いでしょう。自由度は高いですが、安定的に収入を得られるかは実力やスキルにかかっています。業務委託のように、定期的に仕事を依頼してもらえるなら、収入も安定しやすくなるでしょう。
Webデザイナーの魅力
Webデザイナーの魅力は、Webサイトの制作に携われることです。企業や各種サービスの顔となって、誰もが目にするものを作ることは、責任感もやりがいも感じられる仕事と言えるでしょう。その企業やサービスの特徴を理解して、それらを上手にわかりやすく表現するのが、Webデザイナーの腕の見せどころ。仕事を依頼されたクライアントはもちろん、多くの人から評価されるWebサイトをデザインできれば、達成感を感じられるでしょう。
また、Webデザイナーは自宅からリモートワークしやすい職業のため、フリーランスとして独立しやすく、副業として始めやすいことも魅力です。
Webデザイナーの年収・月収
doda「平均年収ランキング」によると、Webデザイナーの年収は平均で361万円。ボーナス無しと仮定すれば、月収は約30万円になります。すべての職種の平均は約400万円なので、それと比べると、Webデザイナーの年収はやや低めです。年代別にみると、20代は325万円、30代は382万円、40代は420万円、50代以上は491万円。年齢や経験を重ねることで年収アップが見込めることがわかります。もしフリーランスで活躍すれば、さらなる年収アップも期待できる可能性があるかもしれません。
参照元:平均年収ランキング https://doda.jp/guide/heikin/
Webデザイナーの仕事内容・仕事の流れ
Webデザイナーの仕事は、主に以下のような流れで進めていくことになります。
1:要件定義
クライアントの要望や、抱えている課題をヒアリングしたうえでどのようなWebサイトを作るか決めるのが、最初の「要件定義」のステップです。このときに必要なのが、ターゲットを明確にして確認すること。例えば、オンラインショッピングのWebサイトを作るにしても、若い20代向けの場合と、シニア向けの場合では、デザインを変えなければなりません。そこで、ターゲットを改めて設定し、さらに各種の条件などを確認して、それに沿ってどんなWebサイトにするか決めていきます。
2:ワイヤーフレームの作成
ワイヤーフレームとは、Webサイトの骨組みとなる部分を決めること。メニューを画面の上部に置くのか、右端に設定するのか、メインビジュアルを大きく掲載するのか、画面の右端にはバナーを設置するのか、といった内容です。いわゆる、Webサイトの設計図を作っていく段階です。基本のワイヤーフレームにはいくつかパターンがありますが、それぞれにメリットやデメリットもあります。対象とする企業やサービスの特徴、さらにターゲットに沿ってどのようなワイヤーフレームが適しているのか判断することが必要になります。このステップもWebサイト作りではとても大切なプロセスにあたります。
3:デザインを制作
ワイヤーフレームを作り、クライアントのOKが出たら、次はいよいよデザインを制作するステップです。IllustratorやPhotoshopを使ってデザインしていきます。このとき、デザイン案を複数作ってクライアントに提示するのが一般的。同じワイヤーフレームでも、メインビジュアルや色使い、文字のフォントを変えるだけでも、大きく印象は異なります。そのようなデザインを提案して、どのデザインを選ぶか検討していきます。
4:コーディング
Webサイトのデザインが決まったら、それをもとにコーディングしていきます。Webデザインでは、雑誌などのグラフィックデザインと違って、HTMLとCSS、あるいはCMSなどを用いたコーディングを行う必要があります。コーディングとは文字や画像データをブラウザで正しく閲覧できるよう、仕様に沿ったコードを使って書き出す作業のことです。より専門的な部分はコーダーが担当しますが、必要に応じてWebデザイナーがこうした作業を行うのもめずらしいことではありません。ほかにも、JavaScriptやFlashなどのプラグインプログラムを使ってWebページを作り込むなど、Webデザイナーがコーダーに近い作業を担当することもあり、サイトをデザインするにはこうした技術的知識を持っているほうが有利になります。
その他の仕事内容
その他には、クライアントとのやりとりを行ったり、できあがったWebサイトについて更新や変更のリクエストがあったときは対応したりすることもあります。
Webデザイナーになるにはどうしたらいい?
Webデザイナーになるためには、必要な資格などはありません。そのため、未経験であっても、誰でもWebデザイナーになれる可能性はあります。しかし、HTML、CSSといったコーディングの基礎知識、さらにIllustratorやPhotoshopのアプリケーションを使いこなせる必要があります。そのような知識を身につけて、IllustratorやPhotoshopの能力認定試験を受験しておくといいでしょう。
もしWebデザイナーの経験があるなら、「ポートフォリオ」を作っておくことが、転職の際に必要です。ポートフォリオとは、これまでにどのようなWebサイト作りに携わってきたかまとめた作品集のこと。自分が持っているスキルやこれまでの実績をまとめてアピールできることになり、選考の工程で提出を求められるのが一般的です。
Webデザイナーに必要なスキル・知識
Webデザイナーには特に次の2つのスキルが必要とされます。
1:デザインスキル
Webデザイナーとしてもっとも大切なのは、やはりデザインのスキルです。ターゲットを考慮して、そのWebサイトのテーマに沿って、それをデザインとして表現する力が求められます。Webサイトはその企業やサービスを表現する大切なツールであり、Webサイトの印象で、その企業やサービスのイメージがついてしまうこともあります。だからこそ、色の組み合わせ、写真などのビジュアルの使い方、フォントの選択、テイストやニュアンスの出し方まで、上手にデザインする力が大切です。
2:ツールのスキル
デザイン関連ソフトとしておなじみのPhotoshopとIllustratorは、Webデザイナーにとっても必携のツールです。これらのソフトを自由に使いこなせるスキルがあってこそ、思ったとおりのデザインを作ったり、自在に表現したり、デザインの幅もさらに広がっていくもの。だから、そのようなデザインソフトを自由自在に使いこなせるスキルが求められます。さまざまな機能を試して、表現の手段を増やしておくといいでしょう。
3:コーディングスキル・知識
Webデザイナーがデザインを行い、それをWebサイトに構築するときにコーディングを行います。そこで必要なのが、HTML、CSS、JavaScriptといったコーディングやプログラミングのスキル。プログラマーがチームにいる場合はプログラマーが担当しますが、Webデザイナーが行うこともあります。Webデザイナーにコーディングやプログラミングのスキルは必須ではありませんが、Webデザインを考えるうえでそのような基本的な知識を持っていることは必ずプラスになるでしょう。
4:UI/UXの知識
UIとはUser Interface(ユーザーインターフェイス)の略で、ユーザーの目に触れたり使用したりする部分を指す言葉。UXはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、ユーザーがWebサイトで触れてできる体験を意味します。UIとUXに関する知識は、ユーザー目線でWebサイトを作り、そのWebサイトを訪れたユーザーに快適な体験をしてもらうために必要になります。まだUIやUXという認識がなかった時代では、ただデザインをするという考えがあったかもしれませんが、現在ではユーザー目線でより良いWebサイトを作ることは大切なこと。だからWebデザイナーにもUIやUXの知識が必要になるのです。
5:SEOに関する知識
SEOとはSearch Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の略。Googleなどの検索エンジンで、キーワード検索したときに上位に表示されるように施策を行うことをSEO対策と言います。世の中には膨大な量のWebサイトが存在しており、せっかく作ったWebサイトがそこに埋もれてしまい、誰にも見られなくなっては意味がありません。そのためWebデザイナーであっても、できるだけSEO対策を行ったWebサイト作りを行うことも大切になります。
6:コミュニケーションスキル
「Webデザイナーはパソコンに向かってデザインをすればいい」と思われるかもしれません。しかし、実際にはクライアントとミーティングを行って先方の意向を聞き出したり、社内のチームで互いに協力しながら作業を進めたり、決して一人だけで行う仕事ではありません。そのため、人と上手にコミュニケーションをとれる力も重要です。
持っておくとワンランクアップするスキル・知識
Webデザイナーとしてスキルアップしたり、さらに上のポジションを目指したりするなら、Webマーケティングの知識やマネジメントスキルもあると、なおいいでしょう。WebマーケティングはGoogle Analyticsなどの解析ツールを使って、Webサイトのアクセス数などを解析すること。それらの分析をもとに、どのようなデザインがアクセス数を増やすことができるかといったことを理解して、Webデザインにも役立てられます。 またデザインチームをまとめるマネジメント力やリーダーシップがあれば、将来的にはWebディレクターやアートディレクターといった職種にステップアップすることも考えられるでしょう。
Webデザイナーの適性
グラフィックデザイナーなどと同じように、Webデザイナーにはレイアウトや色彩の使い方などに関するデザインセンスが必須です。さらに先述のコーディングなど、Webサイトに関する技術的知識に詳しいWebデザイナーであれば、そのことも大きな強みとなります。
また、わかりやすく使いやすいユーザーインターフェースをデザインすることも重要な役割です。ユーザーの立場に立って考えられる感性が求められます。さらに、スマートフォンをはじめとするモバイル端末からのアクセスに対応するなど、時代によって変化するニーズにも対応していかなければなりません。常に新しい技術を学び、よりよいサイトデザインを目指す勉強熱心な人であることが望ましいでしょう。
スキルを磨く方法とは?
Webデザイナーとして活躍していくためには、さまざまなスキルが必要であることをご紹介しました。それらはどんな風に磨いていけばいいでしょうか。主に次のような方法があるでしょう。
・スクールに通う
Webデザインに関して学べるスクールや専門学校に通うと、PhotoshopとIllustratorの基本的な使い方から、デザインの基礎なども幅広く体系的に学べます。同じ志を持った仲間と出会えて、モチベーションも上がりやすいでしょう。しかし費用と時間がかかることがあります。
・オンラインセミナーを受講する
オンラインで開かれているWebデザインに関するセミナーを受講してもいいでしょう。自分で学びたい部分をピンポイントで学べて、時間を有効活用できるでしょう。
・独学で学ぶ
参考書や専門書をもとに自分で学ぶこともできます。高い費用がかからずにできる方法ですが、わからないことがあったときに聞ける人がいない、モチベーションが上がらないといったデメリットも考えられるでしょう。
Webデザイナーに役立つ資格はある?
Webデザイナーになるために必須の資格はありませんが、転職の際にWebデザイナーとしてのスキルを証明したり、昇格に役立ったりする資格がいくつかあります。
1:ウェブデザイン技能検定
Webサイト制作に必要なWebデザインやシステムの基礎知識について認定する資格試験です。試験はインターネットスキル認定普及協会が行っていますが、国家資格のひとつです。試験は1級から3級まであり、それぞれに実技試験と学科試験の両方があります。3級は受験資格がないため、まずは3級の受験から始めるのがいいでしょう。
https://www.webdesign.gr.jp/
2:Webクリエイター能力認定試験
Webデザインから簡単なプログラミングに関する知識まで問われる認定試験です。スタンダードとエキスパートの2種類があり、スタンダードには受験資格はありません。しかもスタンダードは実技試験のみで合格率が9割近くと高く、WebデザイナーなどWeb関連の仕事に就く人が最初にトライする資格としてよく知られています。
https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/
3:Photoshop®クリエイター能力認定試験
名前の通り、Photoshopの操作スキルを測るための認定試験です。問題の指示に従って、時間内に新規ドキュメントからコンテンツを制作する「操作スキル」と、指示に従ってそれを形にする「問題解決力」などを学べます。試験は、スタンダードとエキスパートの2段階があり、自身のスキルにあわせて受験できます。
https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/
4:Illustrator®クリエイター能力認定試験
Illustratorを操作して活用できる力を測定する認定試験です。問題の指示に従って、時間内に新規ドキュメントからグラフィックコンテンツを作りあげたり、与えられた指示に従ってそれを形にしたりする問題が出題されます。Photoshop®クリエイター能力認定試験と同様に、スタンダードとエキスパートの2段階があります。Webデザイナーを目指したい方は、どちらも取得しておくといいでしょう。
https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/
5:HTML5プロフェッショナル認定
HTML5、CSS3、JavaScriptなど、Webコンテンツの作成能力を測る試験です。レベル1とレベル2の2つの等級があります。レベル1は、マルチデバイスに対応してWebコンテンツを制作するための基礎知識を問う内容。レベル2は最新のマルチメディアの技術に対応して、Webアプリケーションや動的Webコンテンツの開発や設計するための能力を問う内容です。
https://html5exam.jp/outline/
Webデザイナーの将来性・キャリアアップ
IT業界での人材不足が長く指摘されています。経済産業省の「IT 人材需給に関する調査」によると、IT業界では年々人材不足が深刻化し、需要と供給のギャップが2030年には約45万人から最大で78万人にまで広がるとみられています。それだけ、IT関連の職業の需要が増えていき、IT関連の知識を持った人が重宝されるようになるということです。 つまりWebデザイナーについても、同様に今後は需要が増えていくと言えるでしょう。
新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、オンラインショッピングがこれまで以上に普及し、さまざまなオンラインサービスが生まれています。そのように、あらゆるサービスがオンラインになっているということは、それだけWebデザインが必要になる場面も増えているということでしょう。
一方、雑誌や新聞のような紙媒体のデザインを行うグラフィックデザイナーについては、需要が減っていくと見られています。つまり、Webデザイナーの将来性はとても高く、キャリアアップも目指してIT業界で活躍できると言えるでしょう。
「IT 人材需給に関する調査」
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2020FY/000248.pdf
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https://www.brain-gate.net/
まとめ
Webデザイナーは将来性のある職業のひとつ。たくさんの人が目にするWebデザインに携われることは、やりがいも大きい魅力的な仕事でしょう。資格がなくても未経験からでも始められますが、Webデザイナーとして活躍していくためには、Webデザインやソフトウェアを使いこなせる知識やスキルを身に着けていくことも大切。さらに、世の中のトレンドやニーズをいち早くキャッチしていくことも必要でしょう。Webデザイナーとしての経験を積めば、さらにWebディレクターやプロジェクトマネージャーのような上のポジションを狙っていくこともできます。IT業界で求められるWebデザイナーを目指してみてはいかがですか?