システムエンジニア(SE)になるには?仕事内容や必要なスキル・資格などを解説!

今後もさらに需要が伸びていくとみられ、IT業界の中でも注目の職種がシステムエンジニア(SE)でしょう。システムエンジニアはどんな仕事内容を任されて、どんなやりがいがあるのでしょうか。気になるシステムエンジニアの年収から、必要なスキル、適正などについて解説します。またシステムエンジニアにおすすめの資格や、Java、C言語系などのプログラミング言語もご紹介します。システムエンジニアを目指したい方は、ぜひチェックしましょう。
システムエンジニア(SE)とは
システムエンジニア(SE)の仕事は、お客様の要求に応えられるシステムをつくることです。 ただし、お客様から「こんなシステムが欲しい」と言われるがままにつくるのではなく、お客様の持つ漠然とした要望を現実的な仕様にまとめ、お客様の要求に対して「その考え方でシステムをつくるとこういう弊害が発生する可能性があります」「その要求を満たすとこのようなイレギュラーなケースには対応できなくなりますがよろしいですか?」などといった、専門家ならではの指摘やアドバイスなどを交えながらシステムの設計を進めていきます。
システムエンジニア(SE)の仕事内容
システムエンジニアの仕事は、およそ次のような流れに沿って行われます。
1.ヒアリング…お客様の「実現したいこと」を理解し、求められるシステムについてお客様と共通イメージを創りあげる(要求分析→仕様策定)
2.提案…システム提案書と見積書を提出
3.設計…受注が確定したら仕様に沿って基本設計と詳細設計を固める
4.コーディング…作業チームを編成し、設計をもとにコーディングを行う
5.テスト…システムが問題なく動作するかテストする
6.リリース(納品)…システムをお客様に渡し、実際の現場で最終動作確認を行い、問題がなければ納品
システムエンジニアはこの間、プロジェクト全体を束ねるリーダーとして作業の管理統括を行います。
この仕事の流れをご覧になるとお分かりの通り、システムエンジニアの仕事は多岐に渡ります。ただ単にシステムを構築するだけでなく、プレゼンテーションをしたり、売上や進行の管理をしたりといった営業的な仕事まで担当する場合もあるでしょう。そして、プロジェクト全体をまとめる管理職のような役割もあるのです。
よって、システムエンジニアの仕事は、技術職というよりもプロデューサー的な職種とも言えます。
システムエンジニア(SE)のやりがい
システムエンジニアとしての仕事のやりがいは、高度で複雑なシステムを創りあげるクリエイターとしての喜びに加え、お客様に「便利になったよ、ありがとう」「このシステムのお陰で業績が伸びた」などと感謝していただけることにあります。多くのシステムエンジニアは「コーディング作業ばかりしていると自分が社会から隔絶されたような気分になる。しかし、システムがキチンと動作し、お客様が喜んでくださっている様子を見ると『自分は社会に貢献できている』という実感が込み上げてくる」といいます。
また、仕事を通じてお客様との交流の中から育っていく信頼関係や連帯感も、システムエンジニアにとって大きな財産であり“やりがい”といえるでしょう。
システムエンジニア(SE)の月収・年収
誰もが気になるのが、システムエンジニアの月収や年収ではないでしょうか。現役エンジニア100名に行われた調査では、平均年収は「400万円以上」が29%と最多で、「300万円以上」が25%という結果でした。月収にすると30万円~35万円ほどでしょう。年齢別にみると、20代はやや低めですが、30代、40代と年を重ねるほど年収は上がっていくことも明らかになっています。また「600万円以上」と答えた人は23%にのぼり、高収入を得ている人も少なくないことがうかがえます。
参照元:エンジニアの年収実態調査 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000067.000047683.html
システムエンジニア(SE)になるにはどうしたらいい??
まず未経験者がいきなりシステムエンジニアを目指すことは難しいでしょう。では、システムエンジニアを目指したいとき、どうやったらなれるでしょうか?
方法①プログラマーからシステムエンジニアにキャリアアップする
最もなりやすいのが、プログラマーからシステムエンジニアを目指す方法。システムエンジニアはプログラマーの上位職種にあたり、プログラマーの業務に必要となる仕様書や設計書はシステムエンジニアが作ることになります。ときには、プログラミングを手伝うため、プログラミングの工程について知識を持っていることは必ずプラスになるはずです。そのため、プログラマーとしての経験を積んでいくことで、やがてシステムエンジニアにキャリアアップしていけるのです。またプログラマーとして働くことは、常に同じチームのシステムエンジニアと仕事することになります。そこで、システムエンジニアがどんな仕事をしているのか、どんなスキルやノウハウが必要なのか、間近で見ながらシステムエンジニアとして求められることがわかっていくでしょう。まずはプログラマーとして、さまざまなシステム開発の経験を積んでいくことが大切です。
方法②IT系の学部・学科に通う
IT業界はこれからも伸びていく業界のひとつであり、教育現場でもそのような業界で活躍できる人材を育てていこうという流れが出てきています。小学校教育でプログラミングが必修になったのもそんな流れの一環でしょう。そして大学でも、プログラミングについて学べる学部や学科が増えてきています。そこで、それらのIT系の学部や学科がある大学に進学して、プログラミングの基本的な知識を身に着けていくのもいいでしょう。数年間をかけてプログラミングなどについて体系的に学習できれば、システムエンジニアとして活躍するための幅広い基本を身につけたうえで、社会に飛びだせるはず。そして、まずはプログラマーとして就職して、やがてシステムエンジニアへのキャリアアップを目指していくといいでしょう。もしくは、新卒採用なら今後の成長に期待してポテンシャル採用してもらえる可能性も広がるかもしれません。未経験であってもシステムエンジニアになれる道が開ける可能性を秘めています。
方法③IT系の専門学校に通う
大学ではなく、IT系の専門学校に通う方法もあります。専門学科以外の分野も幅広く学べる大学に比べて、専門学校は専攻した分野に特化して集中的に学べるという特徴があります。プログラマーを目指す学科、システム開発について学べる学科など、卒業後にIT業界ですぐに活躍できるように、より実践的な知識やスキルを習得できるようにカリキュラムが組まれています。大学は4年制が一般的ですが、専門学校なら1年~3年で修了するもの。それだけ短期間で集中して必要なスキルを習得できるでしょう。また、夜間に通える学科なら、仕事をしながら専門学校に通って学習することもできるし、ダブルスクールに通ったりすることもできます。さらに専門学校は、卒業後に就職先を斡旋してもらえるなどサポートもあり、よりシステムエンジニアになる道が近づいていくかもしれません。
方法④独学で学ぶ
大学や専門学校に通ってプログラミングやシステム開発のスキルを身につけるほかに、自分で学んでいく方法もあります。プログラムやシステム開発に関する専門書や参考書は数多くあるので、それらを利用して学んでいく方法です。しかし、独学でシステムエンジニアを目指すのはかなり難しいのが実情で、あまりおすすめできません。システムエンジニアになるためには、幅広いスキルを学んでいく必要があり、それらを体系的にまとめている教材はあまりないでしょう。そのため、学習自体に時間がかかるし、高いモチベーションを維持しながら挫折せずに続けることは難しくなると言えます。効率的に、かつ確実に必要なスキルを身につけてシステムエンジニアを目指すなら、やはり大学や専門学校に通う方法の方がいいでしょう。
システムエンジニア(SE)になるために必要なスキル・能力
システムエンジニアには、以下4つのスキルが必要になります。
1:プログラミングのスキル・知識
システムエンジニアはシステム開発を担当する職業ですが、お客様のニーズにあったシステムを設計し、プログラマーにその指示をする役割があります。つまり、プログラミングに関する知識とスキルを持っていなければ、そのような指示を的確に出すことができず、システムエンジニアとして仕事をするのは難しいでしょう。それにプログラミングのスキルを持っていれば、開発メンバーが困っているときにその状況を把握して解決しやすくなるはずです。ただし、システムエンジニアの中にも、プログラマー寄りのシステムエンジニアもいれば、プログラムは全て他の人に発注というシステムエンジニアもいます。
2:英語力
海外展開のあるビジネスに携わることも多いシステムエンジニアは、英語力が求められることもしばしばあります。そもそもプログラミング言語やIT技術などの最新情報は、英語で発信されていることも多いため、それらをいち早く理解してものにするためには、英語力は必要となります。世界のトップクラスのエンジニアとやりとりするなら、やはり英語を身につけておいて損はないでしょう。グローバル化が進む現代では、社内の公用語が英語になっている企業もありますし、会議を英語で行う場合があるかもしれません。英語を理解して会話する力があることは、システムエンジニアとしての大きな強みになるでしょう。
3:マネジメントスキル
システムエンジニアは、開発チームで複数のプログラマーなどを統率するリーダーのような役割を担うこともあります。そこで大切なのがマネジメントスキルです。例えば、納期の遅延は、契約解除や信頼喪失につながります。納期までにお客様にシステムを提供するためには、プロジェクト全体のプロデューサーであるシステムエンジニアが、プロジェクト進行を緻密に管理しなければいけません。スケジューリングや役割分担、リスク管理なども含めたマネジメントスキルが必要です。
4:コミュニケーション能力
お客様のニーズをくみ上げる、そして、円滑な作業報告や営業交渉を行うためには、お客様としっかりコミュニケーションを図る必要があります。同時にプロデューサーとして、プロジェクトメンバー全員とも密接なコミュニケーションを図らなければクオリティの低下やスケジュールの遅延、最悪の場合は致命的なトラブルやアクシデントが発生するケースもあります。
また、日々進化する市場や技術情報をキャッチするため、その情報を入手できる「人脈」を作るためにもコミュニケーション力が必要です。プロデューサーとしての色合いが濃い職種であるシステムエンジニアにとって、この「コミュニケーション能力」は一番重要なスキルといっても差し支えないでしょう。
5:論理的思考能力
クライアントの仕事を受けるとき、クライアントの現在の課題について、どのように解決するべきか、道筋を立てて整理していく力が論理思考能力です。思い付きや行き当たりばったりではなく、ものの道筋を立てて解決策をクライアントに提案できると、説得力が上がるし、よりクオリティの高い仕事ができるようになるでしょう。
システムエンジニア(SE)に求められる人物
システムエンジニアという仕事は、オーケストラに例えるならコンダクター(指揮者)、建築現場に例えるなら棟梁にあたります。プログラマーやコーダーなどからなるプロジェクトチームを指揮して完璧なシステムづくりを目指すとともに、お客様に最大の満足をご提供しなくてはなりません。
これを実現するためにはシステムやプログラミングに対する知識はもちろん、お客様の業界・業態、そして、会社の事情や特徴といったものまで踏み込んで学び、相手の立場からシステム設計を進めることが必要です。プログラミング一筋といった職人気質の完璧主義者よりは、仲間を率いて困難に立ち向かっていくリーダー的なセンスのある人に向いているといえるでしょう。
システムエンジニア(SE)におすすめのプログラミング言語
システムエンジニアにはプログラミングスキルが必要であるとご紹介しました。システムによって、最適なプログラミング言語とそうではないものがあるため、システムエンジニアが扱うプログラミング言語の数はたくさんあります。ここでは、ニーズが高くシステムを構築するために必要となり、システムエンジニアならスキルを身につけておきたいプログラミング言語5つをご紹介しましょう。
1:Java
JavaはC言語をもとに開発されたプログラミング言語で、世界中でとても人気があります。どんな環境でもソフトを動かすことができて、WindowsやMacなどのOSに依存せず、処理速度が速い特徴があります。またセキュリティが高く、複雑な処理を高速で実行できることもあり、銀行、役所といった法人向けのシステムで幅広く利用されています。そのためシステムエンジニアならJavaの知識は必ずおさえておきましょう。その他のプログラミング言語を身につける上でも基礎となります。
2:C言語系
1972年に開発された、歴史のあるプログラミング言語のひとつが、C言語です。汎用性が高く、プログラミングの実行速度が速いのが特徴。そのため、OSやハードウェアを制御するプログラムの設計などに利用されています。C言語から発展した「C++」や「C#」というプログラミング言語もあります。またアプリやロボットアプリなどの制御にも使われたりします。C言語は難易度が高く、習得が難しいと言われていますが、C言語をマスターするとJavaなどのC言語をベースにしたプログラミング言語を習得しやすくなります。
3:PHP
PHPといえば、動的なWebページを生成するときにおなじみのプログラミング言語です。オンラインショッピングの注文ページでカート内の商品の金額を計算したり、企業のWebサイトのお問合せページに使われたりします。WordPressのカスタマイズなどでも使われており、コードがシンプルなため、難易度は低め。初心者でも学びやすいプログラミング言語のひとつと言えます。それに、プログラムを書いてすぐに実行できるので、動作について確認しながら習得しやすいでしょう。サーバサイドで開発が可能なことも特徴です。
4:Python
YouTubeのシステムにも使われているというプログラミング言語が、Pythonです。Excelの操作自動化やデータの処理、分析、統計や分析システムでの分野に強いのが特徴。さらに汎用性が高く、ディープランニングや機械学習など、AIなどでも注目され、近年さまざまな分野で普及しています。コードはとてもシンプルで、プログラミング初心者でも始めやすいと言われています。スクリプトに強く、読み間違いや書き間違いなどのミスも少なく、開発しやすい言語です。
5:Swift
Swiftは、Appleが2014年に発表したオープンソースのプログラミング言語です。Mac・iPhone・iPad・Apple Watchなど、Apple製品のアプリはSwiftで開発できます。他のプログラミング言語でApple製品向けのアプリ開発は難しいため、Swiftの人気は年々上がっています。コードはとてもシンプルでリアルタイムで動作確認ができ、初心者でも学びやすく、しかも効率よく開発を進められます。またSwiftは、Apple製品以外のWebアプリケーションの開発もできるようになり、Swiftでできることが広がっています。
システムエンジニア(SE)になるために必要・おすすめな資格
システムエンジニアになるためには、必ず取得しなければならない資格があるわけではありません。しかし資格を取得しておくと、就職や転職の際にアピールできて有利になるほか、昇格などのきっかけになったりする可能性もあります。そこでシステムエンジニアにおすすめの資格をいくつかご紹介します。
・基本情報技術者試験
ITエンジニアの登竜門と言われる、ITエンジニア向けのベーシックな資格です。システムエンジニアに必要となるIT関連の基礎的な知識を問う問題が多く、システムエンジニアを目指す方はぜひ取得を考えたい資格のひとつです。
https://www.jitec.ipa.go.jp/
・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験と同様に、情報処理推進機構(IPA)が行っている資格試験です。基本情報技術者試験は基本的な内容の試験が中心ですが、応用情報技術者試験はレベルが一段階上がり、技術面から管理、経営などの幅広い内容が出題されます。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
システムエンジニア(SE)のIT派遣なら”ブレーンゲート”
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https://www.brain-gate.net/project/search?jc_ids%5B%5D=1
まとめ
システムエンジニアは、クライアントの要望や課題を聞いてそれに最適なシステムを開発する仕事。プログラマーと間違われやすいのですが、プログラミングだけではなく、システム全般の企画、設計、提案などを担い、ときには企業のサービスの根幹に踏み込むこともあり、大きなやりがいのある仕事です。それだけ責任が大きく、プロジェクトを計画して推進する力も必要でしょう。それに、さまざまなプロジェクトに携わるなかでシステムエンジニアとしてのクオリティが上がっていけば、クライアントにとってなくてはならない存在になるはずです。常に勉強を続け、経験を重ねていくことで、システムエンジニアとしての力量もどんどんアップしていくでしょう。