【フィールドエンジニアになるには】仕事内容と必要なスキルについて

主要な業務がお客様先で行われるという特殊な勤務形態をとる、フィールドエンジニアの仕事。業務を効率的にするハードウエア(システム機器など)が多く出回る中、利用者側では知識を持つ者がおらず、フィールドエンジニアのような専門スタッフがサポートしなければいけない局面が多数あります。
今回は、フィールドエンジニアの実際の仕事内容と、フィールドエンジニアとして働くにあたって必要なスキルについてご紹介しましょう。
フィールドエンジニアとは
フィールドエンジニアとは、お客様先に出向いてハードウエアの設置・設定・保守・修理などを行う技術者です。会社によっては「サービスエンジニア」「カスタマーサービスエンジニア」などと呼ばれる場合もあります。
お客様先にひとりで行って作業することが多いため、業務中は大半が「アウェイ状態」。慣れるまでは緊張するかもしれませんが、お客様から見れば自分が会社の代表です。「会社の顔」としてお客様に好感を持っていただけるよう、礼儀正しく快活に接しましょう。
ただし原則としてフィールドエンジニアの仕事は裏方ですから、会社の方針によってはフィールドエンジニアがお客様と親しく交流することは禁じられている場合があります。守秘義務を遵守するのは当然ですが、直接自分の業務に関係のない技術的な質問に答えてはならず、担当営業を通じての回答が義務付けられている場合もあるので注意してください。
なお、一般的にはフィールドエンジニアはハードウエアサポートを中心に行う職種と考えられていますが、お客様先に出向いての仕事が中心となるシステムエンジニアのこともフィールドエンジニアと呼ばれることがあります。応募に際しては仕事内容をよく確認しましょう。
フィールドエンジニアの仕事内容
まず最初は機器の定期点検など難易度の低いルーティンワークからスタートし、徐々に機器の設置や設定、修理といった難易度の高い業務を任されていきます。
ハードウエアは製品の種類が多く、担当する案件ごとに講習や技術訓練を受けてからお客様先に向かいますので、もともと機械いじりが好きな人であれば業界未経験者でもフィールドエンジニアとして働くことは可能です。
機器の故障の際には迅速な対応・復旧がフィールドエンジニアにとって腕の見せ所。的確に故障箇所と故障原因を見抜き、素早く修理するとともにお客様に対して説明責任を果たし、納得・安心していただくことで製品やシステム、自社の信用を守ります。対応次第では故障以前よりもお客様からの信頼が厚くなる場合もあるほど、重要なポジションといっていいでしょう。
フィールドエンジニアに必要なスキル
フィールドエンジニアとして働くためには、以下のようなスキルがあると良いでしょう。
ヒアリングを軸としたコミュニケーション能力
フィールドエンジニアにとって最も必要なスキルは「コミュニケーション能力」です。仕事をする環境が、お客様側でトラブルやアクシデントが発生した状況が多いことからも、お客様と直接相対して、現状課題やニーズを円滑にヒアリングしなければならないからです。そして大きなクレームにならないようにお客様とのやりとりを円滑に対処していくことが必要となります。そのための対人交渉力はフィールドエンジニアにとって必須の能力と言えるでしょう。
MCP資格
担当する案件ごとにハードウエアの種類も異なり、都度勉強が必要とはなりますが、可能であればマイクロソフトが認定する資格「MCP」を取得しておくと良いでしょう。この資格はマイクロソフトが提供する製品や技術、ソリューションといった知識を有することを証明する資格であり、システムの管理やトラブルの解決を適切に行えるスキルを持っていることを証明してくれるものだからです。
フィールドエンジニアのやりがい
同じ機器でも環境や使い方の違いで故障の程度や原因は千差万別です。また、ちょっと機器を見ただけではなぜ障害が発生しているのかがわからない場合があります。
そういった際でもいかに短時間で復旧させるかがエンジニアの腕の見せ所。毎回ラップタイムをはかり自己ベスト更新に挑み続ける人、素早くサポート担当から対応法を引き出す技術を磨く人など、やり方は人それぞれです。しかし、どんな状況であっても最短時間で機器を復旧させ、お客様にご安心いただくことがフィールドエンジニアの最大のやりがいといえるでしょう。
さらにベテランになってくると、困難な案件にぶつかるほど『よーし、やってやるぜ!』と燃える人も少なくないようです。
フィールドエンジニアの適正
フィールドエンジニアの仕事は、ある意味でエンジニアの「武者修行」のようなものです。 イライラしているお客様に囲まれて、針のむしろ状態でトラブルの原因究明をしなくてはならないという厳しいシーンもあるかもしれません。しかし「どんなことがあっても絶対に何とかする」という覚悟を持って臨むことでメンタルも技術力も鍛えられ、状況にあわせた臨機応変の対応方法も会得できるでしょう。 エンジニアには「どのような状況であろうと、自分が責任を持って事態を打開しなくてはならない局面」を乗り越える経験が必要です。
逆境に強いメンタルの持ち主が向いている仕事ではありますが、その反面、神経質でメンタル面での弱点を持つ人が自分を鍛えるにはもってこいの職業であるともいえるかもしれません。
お客様先に出向いて作業をするという業務は、なかなか他では経験しづらいことです。クレームに出くわす場面も多いかもしれませんが、問題を解決するというミッションを任せられており、それをお客様も望んでいるはずです。焦らず最善を尽くす気概をもって取り組まないといけません。お客様の知識では対応できず、自分にしかできないことをさらっとやってのけるのは、なかなかに快感なときもあるでしょう。